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退職代行「モームリ」代表逮捕に見る、士業独占業務とコンサルティングの境界線

退職代行「モームリ」代表逮捕に見る、士業独占業務とコンサルティングの境界線

退職代行サービスの代表者逮捕という衝撃的なニュースは、単なる一企業の不祥事にとどまらず、士業・コンサルティング業界全体における「非弁行為(弁護士法違反)」「業際問題」の危うさを浮き彫りにしました。

特に補助金・助成金の活用を検討している経営者にとって、この問題は決して他人事ではありません。今回は、最新の逮捕事例から読み解くコンサルティング業務の境界線と、健全な外部リソース活用のポイントを解説します。


退職代行「モームリ」代表逮捕に見る、士業独占業務とコンサルティングの境界線

2026年2月、退職代行サービスとして急速に知名度を上げていた株式会社アルバトロスの代表が、弁護士法違反(非弁活動)の疑いで逮捕されました。報道によると、弁護士資格を持たないにもかかわらず、報酬を得て退職に伴う交渉業務を行ったことが容疑の核心とされています。

退職代行というビジネスモデル自体は、先行する株式会社EXITなどの登場以来、労働者不足やハラスメント問題が深刻化する中で需要を伸ばしてきました。しかし、その業務範囲が「単なる意思伝達」を超えて「法律的な交渉」に踏み込んだ瞬間、それは法律違反となるリスクを孕んでいます。

相次ぐ「業際問題」での摘発:税理士や無資格者による越境行為

今回の逮捕劇は氷山の一角に過ぎません。実は2025年、2026年と、士業の独占業務を侵害する「業際問題」での摘発が相次いでいます。

  • ・税理士が社会保険労務士の独占業務である社会保険手続を代行し逮捕された事例


  • ・建設業許可申請などを無資格で行った行政書士法違反の事例


特筆すべきは、2026年1月にも、特定の資格が必要な業務を無資格で組織的に行っていたグループが摘発されたニュースです。これらの動きから見えるのは、当局が「実態を伴わない安易な代行ビジネス」に対して監視の目を強めているという現実です。

売上規模が数億円程度の中小企業であっても、メディア露出が増え、社会的影響力が強まれば、「見せしめ」とも取れるほど厳格な取り締まりの対象となり得ます。


補助金・助成金活用におけるリスク:あなたの依頼先は「合法」か?

この問題は、補助金や助成金の申請支援においても極めて重要です。経営者の皆様がコンサルティング会社や支援機関を選ぶ際、以下の「業際」を正しく理解しておく必要があります。

  • 助成金(厚生労働省管轄)の申請代行


雇用保険料を財源とする助成金の申請書類作成や代行ができるのは、原則として社会保険労務士のみです。一般的なコンサルティング会社が「成功報酬で助成金を申請代行します」と謳う行為は、社会保険労務士法に抵触する可能性が高いと言えます。

  • 補助金(経済産業省など)の申請支援


経済産業省系の補助金(かつての事業再構築補助金や、現在のものづくり補助金、IT導入補助金など)については、中小企業診断士銀行、認定支援機関などが支援を行うことが一般的です。しかし、ここでも「申請書の作成代行」「代理手続」を行政書士以外が行うことはできません。


「知らなかった」では済まされない:経営者が守るべき3つの自衛策

もし、依頼したコンサルタントが業際問題で摘発された場合、その支援を受けて受給した補助金や助成金が「不正受給」とみなされる、あるいは返還を求められるリスクがゼロではありません。

  • 1.資格の有無と業務範囲の確認


助成金なら社労士、登記なら司法書士、税務なら税理士といった、法律で定められた独占業務を確認してください。

  • 2.「丸投げ」を促す業者に注意


「ハンコを押すだけでOK」「全てこちらでやっておきます」という言葉は甘い誘惑ですが、申請主体はあくまで事業者自身です。内容を理解しないまま申請を行うことは、採択後の実績報告や検査で大きなトラブルを招く要因となります。

  • 3.採択可能性を「断定」する業者は避ける


補助金は審査員による採択審査を経て決定されるものです。現在の制度において「100%採択されます」といった断定的な口調で勧誘を行う業者は、信頼性に欠けると判断すべきでしょう。


まとめ:健全な外部活用が企業の持続的成長を支える

今回の退職代行サービス代表の逮捕は、法を軽視した急成長がいかに脆いものであるかを物語っています。補助金や助成金は、企業の成長を加速させる強力なツールですが、それは「正しい手続き」「法令遵守」があってこそ成り立つものです。

2026年現在、かつての事業再構築補助金のように予算が大規模に投下されたフェーズは一段落し、より各施策の「質」「適正な執行」が問われる時期に来ています。外部の知見を借りる際は、その業者が法的な境界線を守っているか、真に企業の将来を考えた支援を行っているかを見極める目を持ってください。

法令を遵守したクリーンな経営こそが、結果として最も低コストで、最も確実な事業拡大の道となるはずです。

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