小規模事業者持続化補助金とは?
事業の成長に欠かせない販路開拓や業務効率化。その資金調達の手段として、最も利用されているのが小規模事業者持続化補助金です。
本記事では、この補助金の対象者、もらえる金額、そして採択を勝ち取るためのポイント、煩雑な申請後の流れまでを分かりやすく解説します。
1.制度概要:誰が、いくらもらえる?
①対象者
従業員5名以下の小規模事業者(製造・運送・建設・宿泊・娯楽業などは20名以下)を対象とした、販路開拓を支援する制度です。
※アルバイトは月の労働時間次第で従業員としてカウントされるか否か決まります。
②200万円の獲得が現実的
通常タイプの上限額は50万円ですが、特例を活用することで、補助上限額を大幅に引き上げることができます 。
多くの事業者は、賃金引上げ特例を活用し、最大200万円の獲得を目指します 。
補助率が2/3ですので、端的に表現すると300万円使えば200万円が戻ってくるということです。
賃金引上げ特例: 従業員(アルバイトでも可)の最低賃金を50円引き上げることが条件です 。引上げのタイミングは、補助金の審査に受かった後で構いません 。
インボイス特例: 課税事業者になる必要がありますが、売上が1,000万円以下の場合は消費税免除の特例が適用されるため、メリット・デメリットを天秤にかける必要があります 。
2.対象経費:何に使える?
この補助金は、約半年後に投資する以下の販路開拓に必要な経費が対象になります 。
!ウェブサイト関連費用の制限ルール!
「補助金でホームページを作りたい」というお問い合わせは多いですが、ウェブサイト関連費用については以下の2つの厳しい制限が設けられています 。
①ウェブサイト関連費用のみでは申請ができない
②ウェブサイト関連費用の上限は補助額の¼が上限
そのため、設備(ハードウェア)の導入やお店の内装工事で大きな経費を計上し 、その取り組みを周知するためにホームページ制作やウェブ広告費用を計上することが必要です。
3.採択を勝ち取るための鍵:事業計画と経費の明確化
小規模事業者持続化補助金は、「その経費を使うことで、売上増加が見込めるか?」が採択の鍵となります。単なる生産性向上だけでなく、その結果案件をたくさんさばけるなど、売上に直結する理由が必要です。
①GビズIDの取得
昨今では補助金の申請は電子化されているので、まずは申請するためのアカウント「GビズIDプライム」を取得します。
②見積書の取得
対象経費が明確でないと審査に落ちてしまうので、審査に合格した後に支払いする経費の見積書を取得します。
申請のときは見積書を提出する必要はないのですが、補助金事務局としても、使いたい経費が曖昧な事業者を採択させるわけにはいかないので、「いつ・何に・いくら使うか?」を明確にすることで採択の可能性を高めます。
③事業計画書の作成
申請は公式ホームページからログインし、申請フォームに入力していく形式で、画像も埋め込むことができます。
事業計画書の他には、直近の決算書(貸借対照表、損益計算書)をアップロードします。
また、「賃金引上げ特例」を活用する場合、賃金台帳や従業員の雇用契約書なども必要です。
④商工会議所・商工会で認定をもらう
小規模事業者持続化補助金を管理しているのは商工会議所・商工会ですので、最寄りの支所で計画書を見てもらう必要があります。
管轄の支所によって提出方法は異なり、メールでOKな場合もあれば印刷して持ってきてくださいと言われることもあります。
職員がOKを出してくれたら「様式4」と呼ばれる確認書類をPDFで発行してくれます。
⑤電子申請
商工会議所・商工会でアドバイスをいただいた場合は修正を行い、様式4をアップロードし、申請ボタンをクリックすることで申請が完了します。
申請が完了したら、、、
⑥採択を待つ
締切から審査までは、およそ三ヶ月かかります。
また、2025年からは採択された後に「交付申請」というプロセスが組み込まれました。
これは見積書を提出し、国からOKをもらう作業なのですが、国からの回答が1~2ヵ月かかります。
従って、申請した経費を実際に発注・支払できるのは、締切から半年くらいかかると思った方がいいでしょう。
⑦事業を実施する
補助金では、申請した経費を使うことを「事業実施」と呼びます。
持続化補助金の事業実施期間は一年ほどありますので、期間内に経費を使い、納品を済ませ、実績報告を行います。
具体的には、発注書、契約書、請求書、納品書、支払明細、成果物の写真などを保管しておき、公式ホームページからアップロードします。
証憑類(証拠書類)の確認は細かいので、どういう経費を使ったのかを細かく報告する必要があり、多くの場合は差し戻し指示があるので、指示に従い修正を行います。
⑧補助金の入金~事業化報告
実績報告で事務局からOKが出たら、国に対して請求書を提出することで補助金が交付されます。
そして補助事業を実施してから一年後、事業化報告を行います。
事業化報告では最新の決算書を提出し、事業によってどういう変化があったかを報告します。
この作業を終えることで、また小規模事業者持続化補助金を申請することができるようになります。
事業化報告を無視していると、中小企業庁が主体となる補助金において減点されたり、申請できなかったりとデメリットが多いので、必ず事業化報告まで完了させましょう。