補助金は事業者の新たな取組を後押しする制度
事業を拡大したい、新しいことに挑戦したいけれど、資金調達の課題に直面している経営者や個人事業主の方は多いのではないでしょうか。そんなとき、国や自治体の「補助金」が強力な味方になってくれます。
しかし、補助金=すぐにもらえるお金と誤解していたり、何に使えるのかがよく分からなかったりする方も少なくありません。
この記事では、補助金の基本的な考え方から、皆さんが最も気になる補助金の対象となる経費・ならない経費について、分かりやすく解説します。
1. 補助金をもらうには?:半年先の「未来の事業投資」を国が後押し!
補助金と聞いて、「すぐに振り込まれる資金援助」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、補助金が給付されるのは、原則として事業が完了し、経費の支払いが全て済んだ後です。
💡 なぜ「今すぐ」ではなく、「未来の投資」に対してなのか?
補助金は、皆さんの会社や事業が未来の成長のために行う特定の投資を国が支援する制度です。
①公的な目的(政策目的)の実現
国や自治体は、「生産性の向上」「革新的な技術開発」「地域経済の活性化」といった政策的な目的を達成したいと考えています。
②事業計画の事前審査
補助金は、申請時に提出された事業計画書に基づき、その投資が政策目的に合致し、成功する見込みがあるかを厳しく審査されます。
③事業完了後の支払い(後払い)
審査を通った後、実際に事業を行い、計画通りに経費を支払い、その効果が確認できてから(または事業完了後)、補助金が給付されます。
つまり、半年~1年かけて自己資金で先に実行し、その実績を報告することで、国が後からその投資費用の一部を補填してくれる、という仕組みなのです。
2. どんな経費が対象になるの?:工場建設・設備導入・システム開発が基本!
補助金は、日本の経済社会全体の発展につながるような、公的資金を投じるに値する投資のみを対象とします。
この考え方から、補助金の対象経費の基本は、企業の資本を増強し、生産性を飛躍的に高めるための投資に集中しています。
運転資金は対象にならない!
一方、「事業を維持していくために日常的に必要となる費用」、つまり「運転資金」は補助金の対象外となるのが原則です。
※自治体によっては、創業初期の運転資金を補助する制度もあります。
【重要な考え方】
補助金は、「これがあれば事業が一段階レベルアップする」という、事業の『核』となる資産を作り上げるための資金だとイメージしてください。
まとめ
・補助金は後払い: 将来の事業投資に対して、国がその効果を見込んで後押ししてくれる制度です。
・対象経費の基本は投資: 工場建設、生産設備、ソフトウェア開発など、資本を増強し、新たな付加価値を生むための費用が中心です。
・運転資金は対象外: 自動車、パソコン、家賃、人件費、仕入れといった日常的な経費は、公的資金を投じる価値のある投資とは見なされず、原則として対象外です。
補助金は、あなたの事業の可能性を大きく広げるチャンスです。正しい知識を持って、あなたの未来への投資に最適な補助金を探してみましょう。